時折、初夏を思わせるような陽気を感じる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょう。
しかし、春の訪れとともに、今年もまたあの悩ましい季節がやってきました。そう、花粉です。
毎年「今年は昨年よりも多い」という予報が流れている気がするのは、私だけでしょうか。
そんな春の陽気に誘われて、先日、子どもと車で出かけたときのこと。
「ねえ、あの山の名前、なんだっけ?」
と子どもが尋ねました。
指さす先には、群馬県民なら誰もが知っている、雄大な赤城山の姿が。
私もこの時期の赤城山が大好きで、特に山頂が雪で白くなった姿を見ると、
「グンマの冬が来た」
と実感します。
遠くに見える浅間山などが少し早めに雪化粧を始める中、既に冬ではあるのですが、赤城山が白くなると、いよいよ冬本番という感じがするんですよね。
上武国道(国道17号)を太田から伊勢崎方面へ跨道橋を登っていくと、目の前に飛び込んでくる赤城山の堂々とした姿が壮大でお気に入りの場所です。
ところで、以前、誰かから聞いた話なのですが、
「赤城山は噴火していなければ、富士山よりも高かったかもしれない」
という説があるそうです。
それを子どもに話してあげようと思い、改めて調べてみることにしました。
結論から言うと、それは「可能性」の話。
約50万年前、赤城山は現在の富士山のような美しい円錐形をしており、標高も富士山より高かった可能性があるというのです。この説は、地層の分析や火山活動の歴史など、地質学的な証拠に基づいています。推定では、標高5,000mほどあったのではないかという説もあるそうです。その後の大規模な噴火によって山頂部分が崩壊し、現在の地形になったとのこと。
ここで、赤城山と富士山の裾野の広さについて少し触れておきますと、富士山の裾野は約35kmと言われ、日本一の広さを誇ります。一方、赤城山の裾野は約26km。「裾野は長し赤城山」と上毛かるたにも詠まれているように、その広大な裾野は富士山に次いで日本で2番目に裾野が広い山です。赤城山は複数の山の総称であり、その山域全体の裾野が広大であるという特徴があります。現在の最高峰は黒檜山で、標高は1,828mです。
「赤城山は噴火しなかったら、富士山より高かったかもだって」
と子どもに話してみましたが、目を輝かせて説明する私をよそに、子どもの視線はすでにYouTubeへと移っていました(笑)。
もし、赤城山が噴火せずに富士山よりも高い山だったら、群馬県はどんな場所になっていたのでしょうか?都道府県魅力度ランキングで下位を争うこともなく、他県の人たちから「群馬ってどこ?」なんて聞かれることもなかったかもしれません。
そんなことを想像しながら、赤城山を眺めてみるのも面白いですね。

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